2021.11.01
第3回施設内研究発表会
先日、第3回施設内研究発表会が行われました。
- 「事例を通して意思決定支援を考える」
- 「偶発外傷」に対するスタッフの意識調査~5年間の集計をふまえたアンケートを実施して~
についてです。
最初の発表は「事例を通して意思決定支援を考える」についてです。
認知機能が低下している患者さんの支援にあたり、本人の意思を尊重できているのか、自分の考えを押し付けていないかなど、ジレンマを感じることがあります。
今回は自宅退院を希望する患者さんに対し、施設入所の方向で支援を行ったケースについて、意思決定支援の観点に絞り、どこにジレンマを感じたのか考察し、課題を明らかにすることが目的です。
患者さんの意思を尊重することはもちろんですが、患者さんにとって何が一番大切なのかを考えないといけないためジレンマが生じるのだと感じました。担当者会議や自宅訪問などを行い、患者さんの背景を知ることで、患者さんに寄り添った提案を行っているのだと思いました。
次に、「偶発外傷に対するスタッフの意識調査」についてです。
当院の事故報告書はチェック方式を採用しています。
偶発外傷というのは、気づいたら怪我をしていたというような「受傷経緯が不明な外傷」や「主にケア中に起こったと推測される偶発的な外傷」をまとめています。
今回5年間の集計を行い、スタッフの「偶発外傷」に対する意識調査アンケートを実施し、結果について文献的考察を加えての報告でした。
過去の集計を行い検証することで、その年だけでは見えてこない原因を見つけることができるのだと感じました。
例えば下肢の皮膚剥離については原因を推測し、予防の実施につながっていました。
今回のような結果の積み重ねが、安全で質の高い医療の提供につながるのではと思います。
(事務所:中嶋)