精神保健福祉法について
行動制限最小化委員会より、ビデオ研修を行いました。その内容の一部をご紹介します。
今回の院内研修は、精神保健福祉法の内容について行う予定でしたが、
身体拘束の歴史が知りたい等の意見があり、急遽内容を変更し精神保健福祉法の歴史について行いました。
精神保健福祉法ができるまでを年表にし、その中で起きたことを発表しました。
精神保健福祉法ができる前、精神病患者への対処法というと加持祈禱や灌滝でした。
そのあと、精神病者監護法が制定されましたが、私宅監置が中心で警察が管理していました。
そこで、病者は病院で診るという形を目指したのが、我が国における近代的な精神病学創立者で医学者である呉秀三先生です。
私宅監置に異議を唱えた方で、
「我が国の精神病者は、精神の病を持つという不幸に加えて、この国に生まれた不幸をも併せ持っている」
という言葉を残しています。
精神病院法が1919年に公布され、都道府県に公立の精神病院の設置を試みましたが全国で5~6病院しかできず、精神病院の設置はほとんど進みませんでした。
第二次大戦の終戦から5年後の1950年、精神衛生法が制定されここで初めて私宅監置制度が廃止されます。
また、都道府県に公立の精神病院の設置も義務付けられました。
歴史を学ぶ上で、今までの新聞記事や今までに起きた虐待事件なども合わせて発表しました。
精神保健福祉法が1995年に制定された今でも、悲惨な事件があることは悲しいことです。
研修後のアンケートでは、“患者さんの人権・尊厳を守るためにも精神保健福祉法を適宜見直し、理解を深めたい”
“患者さんの人権と尊厳を守るための大切な法律”などの意見が集まりました。
出口病院では、精神保健福祉法の研修を毎年必ず行っています。
職員が精神保健福祉法の内容や歴史について理解を深め、共有することがまず大切な一歩だと感じます。
(行動制限最小化委員会:永友)